猫ちゃんの腎臓病の新しいお薬ができました

猫ちゃんの腎臓病(腎機能障害)の発生率は他の病気に比べると高く、15歳の猫ちゃんの約30%が罹患するというデータがあります。

腎臓の機能が落ちることによって、脱水、食欲不振、嘔吐、痩せるなどがありますが、腎機能障害が進行すると起きてくるのが貧血です。腎臓はエリスロポエチンというホルモンを分泌します。これは赤血球を作る指令を出すホルモンです。腎機能が落ちるとエリスロポエチンを分泌できなくなるため赤血球が減り貧血になります。

今までは人用のエリスロポエチンを注射していました。しかし、人用なので猫ちゃんに何度も注射しているうちに抗体というものができて、お薬が効かなくなってしまいます。そのため人用のエリスロポエチンを使うのは貧血が進んだ末期の状態に限られていました。

しかし、新しいお薬が発売されたおかげで、少し貧血が出てきたぐらいの段階でも使用可能となりました。

 

本日、腎性貧血患者さんが来院されました。

 

当院でのお注射第1号のセナちゃんです。

 

貧血が改善されて元気が出てくるといいですね